幸せについて

物心ついたときから表現の手段として音楽と関わってきて、時には言葉以上のものを伝えたいときに感情の全てをそこにぶつけるときがあります。全ての音楽家、ジャンルを問わず自分に真剣に向き合っている人は、その部分ではまったく同じと思います。様々な想いや理想を音楽という表現方法にゆだねて、希望を胸に抱いて日々研鑽するのです。

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Photo credit: NightFlightToVenus via VisualHunt / CC BY

 

やがて仕事として携わるようになり、いろんなところで演奏するようになってくると、ん?コレはなんか違うぞと思い始めます。確実に収入を得られる演奏は誰も聴いていないことが多く、楽しく演奏できて拍手喝采、でも交通費を引けばアシが出る、そんな極端な感じが続きます。

確実に収入はあるが誰も聴いていないような場所だけで長く演奏していると、演奏家としてダメになっていくという話をよく聞きます。ぬるま湯につかったままで向上心がなくなっていくのです。

 

僕もそんな感じで演奏活動をしていて、かれこれ5年目を迎えた日のことです。

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幸せについて

 

ふとどき者のピアニスト

いつものように(だらだらと)演奏していたときに、お客さんからリクエストが入りました。ピアノの横に置かれた、お店のメモ用紙には「moon rever」と丁寧に書かれた文字。ムードミュージックね、と一瞬思ったもののお客さんが書いた丁寧な文字を見てちょっとここは思い直して、さらっと弾かずに丁寧に弾いてみるかと思いました。

この曲は普通、FかCとかいうKeyで弾くことが多いのですが、Dbで弾き始めました。Dbっというのはちょっと幻想的な調なんですよ。戦メリやショパンの幻想即興曲の中間部、あの感じです。その後Cに転調、これで地に足が付いた感じになります。CはFよりもちょっと純粋な子供のような感じで、Fになるとちょっと土臭くなって世慣れた感じになってしまいます。で、Dbに戻ってAにいってからCで終わりました。

なんか気持ちよく弾けたなぁーとひとり悦に浸っていたら、ピアノの横にお客さんが立っていて、目をうるうるさせてるんですよ。

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お客さんから教えてもらったこと

「ホント感動しました。ムーンリバーってこんなに美しい曲だったんですね。実は今日は結婚記念日で、奥さんと最初のデートで見た映画が{ティファニーで朝食を}だったんですよ。で、毎年この日は二人で映画を見て一緒に夕食をとるんですよ。

でもね、今日は出張でこっちに来たもんだから、結婚後始めてこの日を一人で過ごすことになってね、何となくリクエストしたんですが、聴いているうちにいろんな事思い出して、そのうち泣けてきたもんだから、かっこわるいんでトイレに行くふりしてさぁー、こっちに来たんですよ。

ほんと、どうもありがとう、おかげで良い日になりました」

言葉もありません。また自分の軽率さに恥じ入りました。

そしてわかったんです、

音楽がなぜ存在しているかということが。

 

音楽は自分自身を発見するためでもなく、自分自身の存在を知らしめるために存在しているのではない、音楽は人を幸せにするために存在しているんです。こんなあたりまえのことをスッカリ忘れていました。

 

幸せを贈るということ

故高倉健さんが「拍手をしている人は幸せだ」と言われたという記事をなにかで読みました。これは演じている側が、ものを作っている側が、それを受け取る人に拍手を送って、そしてそれを受け取ったほうも拍手をする。そしてみんなが幸せになるということだと思います。

音楽を演奏するということ、根底には自己表現というのもありますが、その目的は人を幸せにすること。人を幸せにできれば自分も幸せなのです。

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そして、あのムーンリバーの日から気持ちを入れ替えて演奏をし続けました。

そのお店で少しずつ演奏後に拍手をくれる人が増えました。

その後、ほとんどのお客さんから一斉に拍手をいただくことも珍しくなくなりました。お客さんが女性を目当てに来る、夜のお店では異例のことです。

 

大切な人の幸せを願って

今後、音楽を創作して発表していくときにも、「人に拍手を送る」というスタンスだけは変わらずに続けていきます。そしてこれはどの職業、いや、もしかしたら生きていく上で、人と関わる上で、相手の幸せを願いエールを送るということは、どんなときでも必要なことで、自分も含めて関わる全ての人が幸せになる基本かもしれません。

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最後まで読んでくれたあなたへ、

あなたが望む幸せが訪れますように、

そして、

大切な人の幸せを願って

いつもエールを送ってあげて下さい。

 

 

補足

この記事は2015年1月15日、「はてなブログ」に掲載したものを一部修正を加えて転載しました。

 

 

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